恫喝暗殺レオのプレイングについて
あるようで今まで詳しい解説がなかったので、この場を借りて紐解いて行こうと思います。
※本項目はあくまで個人的な指標であり、絶対的なものではありませんのであしからず
まず初めに、
①「恫喝暗殺レオってどんなデッキなの?」
暗殺レオの立ち回りをギアから読み解くと、
・恫喝…相手からmp1を奪う。これにより、mp回復量でだけ見れば常に相手より優位に立てる。
・暗殺…セット状態のクリーチャーをそのまま即死させる。通常の撃破と異なり「被撃破時の効果」は無力化される。
ギア3に関しては何を主軸にするかによって変わってくるが、共通しているのは"恫喝"と"暗殺"を使い分けていくということ。
そしてものすごく端的な言い回しをすると、自分のやりたい動きを押し付けるのではなく、"相手のやりたい動きをやらせない"戦術に重きを置いたデッキとなります。
似たような分類のデッキに"扇動ゼータ"がありますが、あちらはギア1"捨て身の一撃"による状況打開力が高く、ギア2"扇動"でマウントを取れればそのまま相手を縛れます。
ただし、"聖夜のサンタクロース ヘラ"などのサモン時効果が強いクリーチャーを置かれると扇動が腐る場面もあり、マナ周りも良いとは言いきれない能力者なので、コントロールデッキ相手に対してマナ差を大きく開くのが少し難しいです。
では恫喝暗殺レオは扇動ゼータと何が違うのか。それを次の項目で触れていきます。
②「"暗殺"をどうやって使うか」
暗殺レオにおいて基本的に大事なのは2つ。
・恫喝"や待機mpで常にマナ差をあける。
・"暗殺"で相手を牽制しつつ、数的有利状況を作る。
ここでさらに大事なのは、"必ずしも暗殺を撃つ事が正解ではない"という事です。
扇動ゼータの場合、捲りに失敗してもマナ損失は1。であるが故に失敗を恐れず強気に捲っていけます。
ただし、暗殺のマナ消費は4。これは"畳返し"を撃って相手のセットを無理やり処理するのとマナ消費は同じです。もっと言えば、ウェイクアップと同等の消費量です。つまり、扇動と比較して"暗殺"に失敗した場合のマイナスが大きいのです。
また、レオに限らずこちらのマナに余裕がない状況で畳返しを撃って処理に回っても、それは強い動きとは言えません。
確かに数的有利には立てるでしょうが、こちらのマナに余裕が無いと踏んだ状況で"デウカリオーンの洪水"などのマジックで処理されたり、逆に捲られるのを読んで"獣帝サブナック"などの剛体持ちを置かれてしまうと、とたんに無防備を晒してしまいます。
ギアで打点が飛ばせる能力者ならば、盤面をきっちり処理されて一気に不利になるでしょう。
暗殺レオの場合も同様です。暗殺の場合、剛体クリーチャーは処理できますが、"牛魔王"などの状態無効クリーチャーは処理できません。
相手が牛魔王を採用している可能性のある能力者の場合、4コストに対して暗殺を撃つかどうかは勝敗を分ける重要な判断になります。
この場合、畳返しを握っていれば撃ってしまうのも手ですが、その場合次のターンに再び4コストを置かれた時に同様の選択を強いられ、状況の解決になりません。
では、どうすればいいのか。
それについて次の項目で触れていきます。
③「暗殺盤面とは何か」
そもそも、暗殺盤面とはどういう状況を指すのか?
答えは単純です。
大まかな場合、死霊+死霊水棲が立っている場合を指します。
では、「暗殺盤面に見える置き方」とは何なのか?
これも単純です。
最近の環境では"アビスシャーク"や"海王神ネプチューン"を採用していない型が増えているので、端的に言えば、
「2伏せ以上で、その中に4コストが含まれている」
「死霊クリーチャーが既に立っていて、4コストが伏せられている」
これらの状況を指します。
※ギア3が"覚醒"になっている暗殺レオの場合、アビスシャークやナグルファルが採用されている可能性があります。
裏を返せば、例え置く4コストがテラーシーホースでなくとも、相手からしたら4コストを置かれるだけで暗殺を警戒しなければならなくなるのです。
意図的にテラーシーホース以外の4コストを置いて暗殺に見える盤面にする事を、筆者は"暗殺偽装盤面"と呼称しています。
では、暗殺に見える盤面を押し付けられた場合、相手はどのようにして動いてくるのか。
基本的には、
・仮に暗殺を撃たれたとしてもリカバーが可能なようにクリーチャーを2体もしくは3体伏せる。
・牛魔王などの状態無効クリーチャーを単体で置く。もしくは複数伏せの中に状態無効を仕込む。
・状態無効クリーチャーに見せかけた、同コスト帯のクリーチャーを「単体で」置く。
・暗殺を恐れず強気に置く。
・何も伏せず、次のターンでレーヴェンや洪水でリセットを図る。
この5種類のうちのどれかの行動に絞れます。
裏を返せば、暗殺を警戒させる事で次の相手の動きをある程度縛れるのです。
例えば②で触れたように、暗殺盤面に対して牛魔王を置いてくる場合。
暗殺レオに対して牛魔王は、暗殺を空振りさせつつ盤面を返す為のキーカードとなります。つまり相手からしても、決して雑に切っていいカードではないのです。
しかし、牛魔王を置けば畳返しで捲られない限りは盤面処理を遂行できるのも確かです。
逆にそれが読めていれば、"恫喝"で流しつつ追加でクリーチャーをセットし、確実に牛魔王を処理しつつ盤面優位を取れるように動くプランをとれます。
ここが、先に触れた"暗殺することが必ずしも正解とは限らない"立ち回りに繋がっていきます。
そして暗殺偽装盤面を作ることによって、相手が牛魔王を出さざるを得ない状況へと追い込めるのです。
逆に、水の伴神龍レニュア等速攻水棲を採用している場合。
わざと4コストを絡めず暗殺盤面に見えない置き方をして相手の大型セットを誘い、そこに速攻水棲をサモンして、不意打ちで暗殺をあてるといった立ち回りも可能です。
また、暗殺に見える盤面の場合はサンタヘラやサタン=ヴォイド、邪龍ヤマタノオロチ等のビッグクリーチャーを置きづらくなります。ここが扇動ゼータと比較した際のレオの強みとなります。
あとはとりあえず恫喝を撃ち、手札に応じて次の動きを考えてゆきます。
相手が複数伏せで返してきた時は暗殺を撃ってもいいですが、暗殺偽装盤面の場合は蛇骨姫アキネをセットし、返しの札で多面処理を狙うと良いでしょう。
相手が洪水やレーヴェンでのリセットを狙っていると思ったならば、トークンを残せるレギンレイヴやエリスを立てておく、もしくはテンポをずらしつつクリーチャーを置き、洪水やレーヴェンを投げられても盤面をリセットしきれないように備えると良いでしょう。
例えば4コスト4打点のクリーチャーを重ね置きしておく事で、暗殺盤面を偽装しつつ、飛んできたレーヴェンを5打点で返り討ちにできます。
そして本当に暗殺を使う場合。最も強い使い方は、"相手のクリーチャーを後出しで処理しつつ、後続のセットクリーチャーを暗殺する"です。
この切り方が通れば相手は一気に無防備を晒すので、盤面を打開しつつマナ差を開く大チャンスとなります。
これを常に意識して立ち回りましょう。
④「序盤・中盤・終盤にかけての動き方」
では①~③を踏まえた上で、実際にどうやってデッキを回していくのかを触れていきます。
・序盤
先攻を取れた場合、1ターン目で先に置いても別段損しない死霊クリーチャーを先に置き、開幕から恫喝を狙っていきましょう。
特に効果的なのは、"ヴェロアの帽子シャズ"や"狂女神エリス"です。これらは序盤に吐き出してもアドバンテージの損失にはならず、相手への圧を残す事ができます。
また"死を運ぶ者レギンレイヴ"や"深黒の冥府神ハーデス"を置くのも悪くはありません。
特にハーデスは墓地利用タイプのデッキ相手に対して非常に刺さります。ただし、暗殺レオにおいての貴重なパワーカードなので、初手にハーデスを切るかどうかの判断は慎重に。他の有効なカードがあればそちらを優先すべきでしょう。もしハーデスを初手に置くのならば、閻魔でハーデスを回収する事も視野に入れておきましょう。
このように、先置きしても次のターンにアドバンテージを残せるクリーチャーから置くのが定石となります。
ただし相手がアグロデッキであるならば、悪手ではありますが、初手からテラーシーホース+シャズの2伏せをして暗殺盤面を組む方が有効なケースも稀にあります。
逆に後攻の時は、初手からカオスホロウを置くのも有用です。ただし場持ちには期待せず、恫喝と攻撃時効果を合わせてマナを獲得し、返しの手を用意しておく事が大事です。
それ以外は、先攻時同様にシャズやレギンレイヴを置いてとりあえず恫喝を狙ったり、特に置いて強いカードがない場合は無理に先置きを狙わずセオリー通り後出しから巻き返しを狙いましょう。
場合によってはテラーシーホースを含めた4コスト2伏せをして、暗殺によって相手を縛る必要に追われる事もあります。しかし基本的はそれは悪手の部類にはなるので、相手のデッキタイプと相談しましょう。
豆知識として、相手のマナが0の場合、かつ防御1能力者ならばエリスで攻撃、防御2能力者ならばレギンレイヴやヴォイスなど3打点クリーチャーで攻撃して「1ダメージを与えてから恫喝」すると良いでしょう。
逆に防御0の能力者の場合は、たとえ1マナでもリードを許してしまうと恫喝をする意味がなくなってしまうので、攻撃しない方がベターです。
・中盤
①~③で触れた内容を意識しつつ立ち回ります。
暗殺を使った方が有利に立てる状況ではしっかりと通し、暗殺してもマナ回りが苦しいと判断した場合は、落ち着いて後出しクリーチャーで盤面を取り合います。
後者の場合、あえてテラーシーホースを温存しつつ、暗殺偽装盤面を押し付けて相手を牽制しましょう。
また、盤面が取れたからといって無闇に能力者を攻撃するのは悪手です。
このデッキにおいて暗殺のマナ消費は安くなく、連発すれば息切れします。しかし、クリーチャーの待機mp返還があれば、その損失を補えるのです。
最低でも暗殺を撃てるという事はクリーチャーが2体並んでいるという事なので、暗殺のみでターンを終えた場合、待機mpが2帰ってきます。レオにおいては恫喝のみならず、この待機mpでマナ差を開くことも重要なプレイングとなります。
仮に能力者を攻撃したいとなった場合、相手のマナが6~8前後で盤面が無防備、かつ自分のマナが8以上あり、仮に盤面をスペル等で崩されても立て直しができる余裕が作れている場合が望ましいでしょう。
この時も全員で攻撃をするのではなく、時にはクリーチャー1~2体の攻撃に留めて相手が特定の動きを取れないギリギリのラインで留めるのも有効です。
例えばバーストオメガ対面の場合、マナが13あればウィスプ×2+神機ハギオス+軍神の鼓舞+ギア3パワーバーストによって6+6+5→17ダメージを負う危険性が高いです。この場合は漠然と殴るのではなく、上記のコンボが使えないマナ10前後に留まるように計算して殴り、ターンを跨いで再度攻めるなり、何かを伏せてきたら暗殺でしっかり処理する等その都度動き方を変えていく方が無難です。
挑発持ちであるカオスドラゴンナイト・ヴォイスや、忘却の椅子トークンで挑発を付与されたクリーチャーが立っていれば、相手が無理やり直接攻撃を狙ってきたとしても十分な抑止となるでしょう。
線引きについては感覚による部分が大きいですが、相手に余裕がなく、自分にかなりの余裕がある時が攻め時という認識で良いと思われます。
もちろん、手札には返しの手段をしっかりと握っておきましょう。
・終盤の詰め方
ここまで順調に試合を進めているならば、あとはダメ押しをするだけです。
ハーデスをセットしてリーサルへの打点を保険込みで確保したり、コシュまる+黄金の林檎+スペードクリーチャーでギア3ナイトメアリンクを狙ったり、サクヤ林檎によるリーサルを狙ったり、水棲を3枚並べてギア3覚醒を狙ったりと、各自得意なリーサルプランを叩き込む下準備をします。
この時、狂女神エリスから竜軍神アレースを経由して"軍神の鼓舞トークン"を握れているならば、より多彩なリーサルプランを考えることができます。
共通しているのは、暗殺レオにはライフMAXからワンターンキルする程の火力はないので、中盤から終盤のどこかしらで能力者を攻撃する必要がある、という事です。
マナ差が大きく開いた状況ならば能力者を適時攻撃してリーサルラインまで削るのも良いですが、この状況でカオスホロウをセットしてやると、スート変更効果で相手の動きを大きく縛ったまま能力者を攻撃し、なおかつ"恫喝"込みでmpを3奪い優位性をさらに高められます。筆者はカオスホロウの置き方はこれが1番好きです。
特にマナが微妙に足りていない、かつ暗殺で場を空けられている状況ならばカオスホロウの処理までこぎつけられる可能性も低く、カオスホロウで2回目の攻撃を通し、そのまま一気にリーサルまで持っていける場合も多いです。
また、リーサルラインまで削るにしても、しっかりと返された時のケアを考えておきましょう。
ここまで長々と書き連ねましたが、以上が自分なりの暗殺レオの解説となります。
使いこなせると楽しく、セットを読む力も向上するので、興味を持った方はぜひ暗殺レオを使ってみてください。