健全代表のメモ帳

クロノマギアのデッキのメモ帳です

☆デッキ構築の指針・デッキの分類等

 

※この記事は筆者の経験則に基づく独断と偏見成分が多めとなっております( ˙-˙ )

なお、デッキレシピは筆者のものをひとまず掲載しました。

 

 

最近ごくたまーに「デッキ構築見てもらえますか」などの質問をしていただける場面がちょいちょいありました。

人によって構築は色々と好みがあると思うのですが、

「デッキの主軸となる動きがまとまってない」

「やりたいことを詰めすぎて器用貧乏になっている」

「上振れに依存しすぎていて、後攻時や手札事故を考慮していない」

 

などのケースを見かけることがあったりしました。(※特定の個人を指しているわけではありません!)

 

なので本項目では、デッキのタイプとそれに合った構築理論を自分なりに書き連ねていきたいと思います。

 

まず最初に、デッキ構築において大事なことは

 

①自分の使いたいデッキのタイプを把握する

②デッキの方向性を理解し、長所を伸ばす、あるいは短所を埋める

③上振れ重視にしても、安定性重視にしても、極力手札事故率を下げるようにバランスを意識して微調整する

④環境を見据えて、仮想敵を意識した構築にする

 

主にこの4つとなると思います。

4つ目はランキングマッチなどの場で必要になってくるので、フリーマッチなどで遊ぶ分には最低でも③まで理解していれば十分です。

特に②を意識する場合、いわゆる"パワーカード"と呼ばれる主軸クリーチャーから先に入れ、そこから方向性を決めていくと作りやすいです。

 

そして立ち回りに関しても、

①序盤戦術

…どのようにして動き始めるか

②中盤戦術

…どのようにして盤面の取り合いで優位に立つか

③終盤〜リーサルプラン

…どのようにして相手のライフをゼロにするか

 

大きくこの3種に分類できます。

クリーチャーの構成に関しても、序盤、中盤、終盤で切りたいカードに分ける事ができるので、必要に応じてバランスを調整していくとよいでしょう。

 

※アグロデッキの場合は②の優先度はやや低めですが、ある程度盤面を見なければならない局面もあるので、それも含めて適切な判断が求められます。

 

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デッキを組む上で1番多いのが「この能力者使ってみたいからデッキ組んでみよう!」というケースです。

そしてそこから、その能力者の代表的なデッキを検索して、比較的勝率が高いレシピをコピーして、実際に使ってみる。このパターンが最も多いと思われます。

しかしただレシピをコピーしても、そのデッキのコンセプト、搭載されているコンボ、序盤から終盤にかけての動かし方など、製作者の理念を理解していなければ、すぐに使いこなす事は難しいでしょう。

現に、ランキングマッチ等の場では「有識者のレシピをまるまる真似たけど勝てない」といった姿をちらほらと見かける事は多いです。

単にプレイングの練度の差や手札、対面の上振れ下振れの結果である場合もありますが、そもそも「正しい運用法を理解しきれていない」ケースもあります。

まず最も多く使われている分類に分けて解説します。

 

 

⑴アグロデッキ

 

アグロデッキとは主に「盤面の取り合いに重きを置かず、能力者を優先的に直接攻撃し、早期に決着をつける」タイプを指します。

現環境では主に、

 

・アグロマリウス

・怨嗟シキガミ

・ハートオメガ(アグロ寄り構築)

・水棲ゼータ

・ナイトメアリンクレオ

 

などが多く見られると思います。

(※赤文字記載デッキはアグロではありますが一定のコントロール性を持っている為、次の項目でさらに解説します)

 

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アグロデッキの構築の特徴として最も多いのは、

「能力者を攻撃する事を目的とし、可能ならば最序盤で致命傷を負わせる」型です。

その為、先攻1ターン目ないし2ターン目で理想的なムーブをとり、最大火力を出せることを前提としています。

反面、盤面処理札等のコントロール要素は殆ど採用されていない場合が多いです。

利点としては、手札が上振れて最序盤でコンボに成功すれば、その破壊力と速度によって相手に反撃を許さず、ゲームエンドまで持っていける事。

欠点は、コントロール要素を可能な限り撤廃し攻撃に全振りしている為、先に相手に盤面を固められてしまうと覆す事が困難である事です。

これをデッキ構築から紐解くと、ギアの発動を最優先としたクリーチャー構築かつ、クリーチャー自体も打点補助効果や横に展開する効果、ギアのスートに合った速攻クリーチャーを優先的に採用し、デッキを円滑に回すためのドロー効果カードも含まれ(※1)残りはダメージ効果を持つスペル(バーンマジック)で埋められている事が多いです。

一見攻撃特化でバランスが悪いようにも見えますが、「早期に相手能力者を攻撃する」という明確な目的がハッキリとしているので、下手に手を加えてコントロール性を持たせるよりも、どの組み合わせでもコンボを始動できるように尖らせた構築の方が目的に合っていると言えます。

また、どの手札の組み合わせでもコンボを始動できるという事は、手札事故の確率の低下にも繋がります。

そして相手に盤面を固められてしまう前に倒すには速度が重要になるので、中途半端にコントロール要素を加えてしまうと、攻撃したい最序盤で引いた場合死に札となり、速度低下にも繋がります。

 

ただし難点として、20枚全てのカードを使う長期戦は想定しておらず、手札にバーンマジックが固まる、リーサルまであと一歩という所で都合の良い札が引けないといった"事故要素"がどうしてもついて回ります。

これは"コントロール性を捨てたアグロデッキ"の宿命であり、アグロデッキがいわゆる「上振れデッキ」と呼ばれている由縁となります。

当然安定した勝率は望めず、そればかりか手札事故等の下振れを起こした時は何もできずに負ける事も有り得るので、いい所7割前後といったところでしょう。

ただし、うまく手札が噛み合い上振れた時の爆発力は高く、要所のカードを差し替える、プレイングで補う等で勝率をさらに伸ばせる可能性もあるデッキタイプとなります。

特に、マジックの採用枚数を可能な限り抑える(6枚以下など)と、安定性自体は増します。

 

まとめると、

・目的を明確化し、コンセプトに則って構築を尖らせる。

・極力コンセプトに合わないカードの採用は抑え、死に札が発生する状況を抑える。

・それぞれのクリーチャーの役割を理解し、"ギアの発動を最優先に"バランス調整をとる。

 

以上が、アグロデッキを組む際の最低限のポイントとなります。

 

 

⑵ミッドレンジデッキ

 

ひとくちにミッドレンジと言っても、クロノマギアのミッドレンジは多岐に渡りますが、最も端的な説明が「コントロールとアグロの中間」となります。

また、アグロデッキでもコントロール性を含ませたものは「アグロ寄りミッドレンジ」、逆にコントロールデッキでも中盤から能力者を直接攻撃しに行くタイプは「ミッドレンジ寄りコントロール」と呼ばれる事が多いです。特に後者は純コントロールと比較して、アグロデッキへの解答として一定の大火力を出すギア構成、またはギミックを搭載している場合が多いです。

しかしこれといって明確な定義が存在せず、ミッドレンジという呼称自体も便宜的なものではあります。

現環境では主に、

 

☆アグロ〜ミッドレンジ

・アグロマリウス

・怨嗟シキガミ

・ハートオメガ

 

☆ミッドレンジ~コントロール

・パラソルエレナ

・豊穣リーリア

・オーラガメイラ

・扇動ゼータ

・ファントムオメガ

・クイックミル

 

あたりが多く見られると思います。

 

☆アグロ〜ミッドレンジ

 

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ここで先に、アグロデッキの部分で解説しなかったアグロマリウス、怨嗟シキガミ、ハートオメガについて解説します。

上記3種のデッキは、アグロデッキでありながら一定のコントロール性を持ったデッキタイプとなります。

特にアグロマリウス、怨嗟シキガミは一括りに「死霊アグロ」と呼ばれ、クリーチャーの個々の性能の高さは勿論のこと、マリウスはギア2魔獣召喚と一部クリーチャーとのコンボによる展開力、シキガミはギア2ブラックマジックによる相手の展開阻害を持ち合わせ、速度に囚われずに戦えます。

多彩な死霊クリーチャーの効果のみでアグロデッキに必要な要素を全て搭載(※1参照)しつつ、上記の性能によってコントロールデッキのように速度を落としたり、アグロ対面で敢えて後手に回り、殴らせてからカウンターを叩き込んだりすることを可能とした、柔軟性を兼ね備えたデッキタイプとなります。

そしてハートオメガですが、採用されうるハートクリーチャー自体が強いコントロール性を持ち、デッキ構築自体もアグロタイプだったり、コントロール要素を更に強めた構築だったりと一貫性がなく、対面した時の構築が読みづらいです。

しかもオメガ自身のmp回復量と体力の高さ、ギア1ブレード・アルファとハートクリーチャーの性能による盤面奪取力も高く、格下相手ならば一方的に蹂躙してしまえるコントロール性、もしくは攻撃力を備えています。

先の解説でアグロの弱点は「先に相手に盤面を固められてしまうと突破する手段が乏しい」と触れましたが、上記3種のデッキはそのコントロール性から、「盤面を固めてくるデッキ相手にも十分にやりあえる」性能を秘めています。

特に、ハートオメガに関しては速度の速いアグロに弱いという弱点もありますが、死霊アグロはそのコントロール性と火力の両立により得られる安定性から、現環境でTier1という現状にあります。

死霊アグロについてはほぼ構築が完成されており、慣れないうちは下手に手を加えるよりもそのまま真似て、プレイングから先に習得した方がよいでしょう。

反面ハートオメガは未だにテンプレとなる構築が定まっておらず、必須カードが数枚ピックアップされる程度で自由度自体は高いです。

ただし、構築次第でコントロールにもアグロにも寄せれますが、どっちつかずな構築にすると死に札が発生するため、どちらか一方に寄せた方が強いでしょう。

 

☆ミッドレンジ〜コントロール

 

ここでは2種類のデッキを例に挙げます。

 

・扇動ゼータ

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デッキの運用方針はシンプルで、

①スペードクリーチャーで盤面を埋めて、

②ギア2扇動による捲りで相手盤面を抑え、

③制圧した時点で攻撃に移る

この3つが主となります。また、特徴としてレイラン+ギア3ブラッディブロウによる決戦火力を搭載しています。

デッキ構築の方向性としては、初動の安定化を図る為に「何を引いても最低限動けるバランスの良い構成」を意識し、除去はトークンマジックとギア1捨て身の一撃で補う形で軽めかつ少なめにし、クリーチャー比率は高めとなっています。

リーサルプランは主にレイラン+ギア3ですが、クリーチャー個々の性能とギア1の打点が優秀なため、十分なアドバンテージ差が生まれていれば、レイランを使わずとも2ターンかけて相手を倒しきる事も可能です。

 

 

・豊穣リーリア

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まずリーリアのギア構成から読み解くと、扇動ゼータと比較して「ギア1・2で打点を出せない」「相手のセットに干渉するギアを持たない」という不利点を備えた性能となっています。

反面ギア1・2は、クリーチャーが立っている前提ですが、既に得られているアドバンテージを強化する性能です。

この事からまずデッキ構築で、リーリアに欠けている捲り及び除去力を補う必要があります。

特に、リーリアに限らずギアで盤面処理できない能力者は、カードの効果で盤面処理能力を補うと、盤面の取り合いに強くなれるでしょう。

そして豊穣リーリアは自分の盤面を守り強化する事をコンセプトとしているため、後出しで盤面を取り合うことも大事ですが、要所で捲りを入れて相手のアクションを縛る事で、アドバンテージ差を大きくつける立ち回りが重要です。

ただ、捲り多めの構築では盤面を取られた時にアクションを起こせないという弱みを露呈するため、補填手段としてレーヴェンを採用し、あわよくばギア3怒りの暴風と組み合わせて盤面を取り返す事を想定し、そしてそれをそのままリーサルプランのひとつとして組み込んています。

 

 

 また、下記にて解説するコントロールデッキという括りにおいても、フィニッシャーにルシファーやサクヤを搭載して瞬間火力を補填したタイプも存在します。これも広義的に見るならばミッドレンジ寄りコントロールとも呼べます。

フィニッシャーとして特定のクリーチャー1体を採用する構築自体は多く、これは終盤戦術に該当します。

しかし裏を返せば、リーサルを取りたい時以外は邪魔になる場合もあるので、特にサクヤやレイランなどの「特定の条件下でのみ火力を発揮し、それ以外の役割を持たない札」は、採用枚数を極力抑えた方がバランス的には好ましいでしょう。

 

 

⑶コントロールデッキ

 

こちらはアグロデッキとは真逆で、盤面のやり取りを優先し、場合によっては一切相手能力者を攻撃せず、完全に息切れしてから詰めに行く、あるいはデッキ切れを狙って動く構築が多いです。

 

これも多岐に渡るのですが、代表的な例として2つデッキを挙げます。

 

・LOエレナ

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まずデッキコンセプトは、閻魔でデッキの枚数差を生み、相手のデッキが切れるまで耐える。状況によるが相手能力者をほとんど攻撃せず、クリーチャーを確実に処理し、ギア2光の壁による守りとギア1ウェイクアップによる恒常的な捲りで攻撃させない事を主軸としています。

そしてデッキが切れたタイミングでドロー加速カードを発動し、スリップダメージを加速させてリーサルとするデッキです。

 

コントロールデッキといえば元祖はLOエレナ。

これも構築は千差万別ですが、現在比較的よく見かける構築はトークンによる途切れないリソースを活かしたものが多いと思います。

戦術としては自分が率先してやりたい序盤の動きは決まっておらず、相手によって切り替えていきながら、メタを張っていく事が多いです。

このため、相手のやりたい事をやらせない事を重視した戦法がそのまま戦術となります。

アグロに対しては壁を立て、ヘーラーでスートを変えてギアを妨害し、ダメージを負ったらネビロスで回復を図る。

ミッドレンジ・コントロール相手ならば盤面を作らせない事を意識してカードを切り、かつリソースを消費しすぎないように後先を考えて動く必要があります。

相手のやりたい事がわかっていて、どこで止めれば1番効果的なのかを理解していると勝率が上がっていきます。

反面、速度の速いアグロに先攻を取られた場合は5回復能力者の初動の遅さが災いし、逆に相手も閻魔を2枚搭載していた場合は、決着がつかず泥試合になる可能性もあります。

前者の場合は回復手段や挑発を立てる手段を厚めにしたり、後者の場合は墓地メタを採用し、ピンポイントで閻魔のリサイクルを失敗させる、あるいは早い段階で"聖夜の祈り"を使ってカードを引かせ、それを自身の閻魔でリサイクルする等の立ち回りでもカバー可能です。

総じて、構築のみならず状況に応じた的確な判断力を求められるデッキとなります。

 

・暗殺レオ

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https://kenzen-chronomagia.hatenablog.com/entry/2020/04/24/恫喝暗殺レオのプレイングについて

 

こちらも古くから存在するタイプのコントロールデッキとなります。

上記のデッキはLOエレナと違い、盤面をきっちり取った後にライフを詰め、リーサルラインからコシュまる+スペードクリーチャー+ギア3ナイトメアリンクでトドメを指す構成となっています。

しかし扇動ゼータ等のミッドレンジ〜コントロールデッキと比較すると、よりコントロール性が強くなっています。

ギア1恫喝でリソースを奪い、ギア2暗殺で相手クリーチャーを無力化する。形は違えど、相手にやりたい事をやらせない戦法がそのまま基本戦術となっています。

特に恫喝暗殺レオは常に相手に暗殺盤面を意識させる事が重要で、さながら盤外戦術にも似たような要素があります。

相手のやりたい事をしっかりと把握した上で正確にセットカードを読み、適切な立ち回りを重ねていく。

クリーチャー構成自体は複雑ではなく、それぞれにしっかりと役割があるので、後出し展開の基本が身についていれば単純な扱い自体は難しくはありません。

しかし相手の心理を読む盤外戦術要素が加わることで、より高度で深いプレイングが可能となるデッキタイプです。暗殺レオが根強い人気を誇る理由はこれが大きいです。

ただし弱点も明確で、アグロに対してライフ100%の相手をカウンターワンキルするには火力がやや足りず、逆に自身よりも先に盤面を広げられてマウントを取られると覆しにくい等が挙げられます。

こうした繊細な部分がある為、相手を徹底的に縛り、マナ差も十分にでき反撃を受けづらい状況になってから能力者を攻撃し始めるパターンが多いです。

場合によっては、長期戦になりやすいのを考慮してLO寄りの構築にしたタイプも存在しています。

 

 

ソリティアデッキ

 

最後に、いわゆる"ソリティアデッキ"と呼ばれるデッキタイプについて少しだけ触れます。

現環境で多く見かけるソリティアデッキは主に、

 

ムスペルヘイム+マジックカード

シャクティ+ルシファー+号令

シャクティ+ルシファー+ウィスプ+星空煌光

フリッグ+ウィスプ+ムーンフェイズ

・黄昏の大魔道士オーディン+マジックカード

 

あたりで、最も多く見かけるのはシャクティ+ルシファーを用いたワンキルデッキでしょう。

これらのデッキの特徴として、「特定のキーカードを初手ないし2ターン目までに握り、特定のコンボを実行する」事のみを目的としています。

故にそれ以外の勝利プランはほぼ一切積んでおらず、ポーカーにも似た完全な運頼りとなります。

当然成功率自体は非常に低く、ランキングマッチ等で安定した勝利数は絶対に見込めません。

これらのデッキを使う目的としては、安定した勝利ではなくコンボそのものの爽快さを味わう為だったり、プレイングに頼る部分が一切ないのでデイリー消化などでとりあえず使う等が多いです。

 

また、対面した時の注意点としては、ギアの構成からデッキタイプ自体は読みやすいので、マリガンで捲り手段をきっちり確保してコンボの妨害を狙いましょう。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

今回挙げたものはあくまで数ある例のうちの一部ですが、デッキの方向性を理解する事が大事であるという点は、どのデッキにも言えます。

また、自分でデッキを構築する際にもある程度の方向性を決めながら進めると、まとまった構築を作りやすいと思います。

 

それでは今回はこのあたりで。